あたご梨
岡山市東部に位置する雄神地区は、伝統ある梨の産地です。
丘陵地帯が続き斜面の多いこの地区は梨の生産に適しており、明治の初期から始まった梨の生産は、幾多の年月を重ね、現在では鴨梨(ヤーリー)、あたご、新高、シルバーベルが主力の品種となりました。
市場からも高い評価を頂いている雄神の梨ですが、その理由は「完全共撰」にあります。
産地をあげて取り組む完全共撰とはいったいどういうものかを紹介します。
選果作業
雄神の梨は、共撰(きょうせん)という方式で出荷されます。共撰とは、出荷組合員が共同で撰果作業を行うことです。
生産された梨は、まず生産者自身により品定めがされ、出荷規格に沿ったものだけが撰果場に持ち込まれます。これが撰果の第1段階です。
その後、撰果場で共撰されます。ここでは誰が作った梨かにかかわらず、出荷組合員が共同作業で出荷規格に沿った梨が選ばれ、包装・箱詰めされます。つまり、生産した本人以外の別の目で撰果されますので、二重のチェックが行われていることになります。
撰果場で撰果を行うのは梨の生産者達です。長年に渡り梨を作ってきた確かな目により、出荷規格に沿ったものだけが厳選されます。規格に満たないものははじかれてしまいます。
このように厳しい二重の撰果体制により、市場には品質の確かなものだけが出荷されています。
毎日が勉強です。
共撰の良さは品質管理の面だけではありません。
生産者は日々、他の生産者が作った梨を目にします。この「自分の梨と他の人の梨を見比べる」ということはとても貴重な勉強となり、技術の向上につながります。
また、共撰である以上、品質の劣るものを出荷してしまっては、その生産者だけではなく産地全体の信頼を落としてしまいます。「一人ではない。みんなでやる」という精神のもと、日々の研究を怠るわけにはいきません。

熟練した生産者による撰果と言えども、人の手による撰果ですので、多少なりとも個人差があります。
それらは査定会、目合わせ会を行うことで、生産者が共通の基準により撰果が行えるようにしています。
また、年度ごとの作柄の違いもあります。この作柄の違いとは、人で言うなら性格の違いのようなもので、糖度等とは違い機械で数値化しにくいものです。これらは経験豊富な熟練生産者達が査定会により基準を合わせる事で、機械ではできない柔軟な品質管理を行っています。
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