旬感野菜の紹介 アスパラの巻

プロフィール

分類
ユリ科属
出身地
南ヨーロッパ
岡山県の出荷ピーク
春芽4月下旬~5月下旬
英名
asparagus
和名
オランダうど

春の宝石/大地のめぐみ・・ニョキ、ニョキ、アスパラ

まず5月頃ホームセンターで5本苗を買い家の畑に植えます。ふわふわした芽が伸びて春風に吹かれてゆらゆらします。 夏を過ぎる頃には背丈ほどになり細いですが食べれそうな芽が出てきます。が、食べたらおえん!そのまま冬を迎え冬眠させます。 年の春、ニョキニョキアスパラが出てきます。が、まだ食べたらおえん!そのまま芽を伸ばしておきます。 そして夏にまた芽が出ますが少しなら食べていいですが、ぎょうさん食べたらおえん!そのまま冬眠させて翌年の春、太いのがニョキニョキ出てきたら食べてもええ!

こんな感じで苗を植えて3年たったら本格的な収穫となります。しっかりと大地の恵みを蓄えた春のアスパラは絶品です。 肥え食いで実に生育旺盛な植物体のアスパラ。アスパラとはギリシャ語で〝たくさん分かれる〟という意味だそうです。 実際につくってみると一目瞭然です。そのまま放置しておけば茎(食べる部分)も葉っぱも、そして根っこまでが四方八方に分かれて成長します。

また元気のいいワンパクな野菜というのが個人的な感想です。 ですから秋から冬の休眠期間にもコツコツと栄養を溜め込んで、春に気温が上がると一気にニョキニョキとなる訳です。 その一番狩りにあたる春芽、春のアスパラがおいしいのはそのためです。春芽と夏芽<春芽をある程度刈り取った後、 刈り取りを停止し一時的に地下株を養成し直し、人為的に上部をカット(摘芯)し再び夏にニョキニョキさせた茎>では旨みが違ってきます。 加えて夏は高温のため極端に生育が早くなるのも食味を落とす一因です。どの野菜でも寒暖の差が大きいほど旨みがのっているのを思い出してください。

《秘話=悲話》
食品メーカーの方とも仕事柄よく一緒になります。 以前、日本を代表する巨大食品メーカーの社員が産地研修に岡山に来られた時のことです。 畑にあるアスパラの木を不思議そうに眺め、「これは何ですか?」と尋ねるのでアスパラよと教えてあげると、「どこになっているのですか?」と言われました。 ありがちなことではありますが。市場の若手職員でもブロッコリーと大根の畑を間違う人もいたり、 我が職員でもキヌサヤが大きくなったらウスイ豌豆(グリーンピース)になるんで~といったら、この間まで信じていた人がいました。 ほんならもっと大きくなったら一寸豆になるんかい!?
飽食の時代に育ってこられると・・?なんだか崩食の時代が到来しそうで不安です~。

アスパラの機能性  ~ 薬用として古代から食べられてきたアスパラ  一本いっとく!

アスパラは非常に栄養価の高い野菜です。 身体を元気にしてくれる成分として栄養ドリンクにも使われているアスパラギン酸が豊富で新陳代謝を高め疲労回復に効果があります。 また活性酸素を抑える働きをもつグルタチオンや赤血球をつくるために必要な葉酸を含んでいるため動脈硬化を防ぎ貧血にも効果があるといわれています。 穂先に含まれるルチンという成分は血管を強くし生活習慣病に効果的です。そんなことから古代ギリシャでは薬用植物として扱われてきています。

国産に軍配  ~ 競合 → 同居 → 離縁

アスパラの歴史は輸入品なくしては語れません。 食の西洋化により需要が順調に伸びていた昭和後期に価格に魅せられ大量の輸入アスパラが日本に押し寄せました。 一時期国内産地は大きな打撃を受けましたが冬期にアスパラが流通することにより需要の伸びに拍車がかかり同居時代となりました。 2000年には輸入量は24,767トンとピークとなりました。しかしその後九州産地を中心としたハウス栽培の導入、 栽培技術の改良(立茎りっけい栽培)により長期間国内物が生産されだしたことや輸入品への不安感の高まりにより2008年には10,438トンと大きく減少しました。 今では美味しく安心な国産に軍配が上がり離縁が進行中です。

ホワイトアスパラは何で缶詰?

≪缶詰自体買わなくなったけど~≫ アスパラのネタを考えているとホワイトアスパラのことがどうしても頭をよぎります。 グリーンとホワイトの差は栽培方法にあり品種の違いではありません。土盛りして光に当たらないよう育てたのかホワイトです。(今はハウス全体を遮光するのが主流です。) 白ネギを土寄せしてつくるのと同じです。栄養価よりもやわらかな食感と香りを楽しむ野菜です。 言うなればアスパラ版黄ニラのような感じです。

では、なぜ缶詰にされるの? それはネ、滅多に売れないからよ。 なぜ売れないの?食べたら美味しいじゃないの!それはネ、売りにくいからよ。 なぜ売りにくいの?私は食べたいのに!それはネ、日持ちがしないからよ! 廃棄率が高くなって売価を高くしないといけないの。そうすると余計に売れなくなるの。だからマス的な流通に向いていないの。 だから長期間もつように缶詰にして食味は落ちてもどうしても欲しいという人に売られるの。ふ~ん。 ~ あくまで私見ですが悪循環だと思います。 でも最近は北海道や九州での栽培が増え高級店では生ホワイトを見かけるようになりヒット商品となる可能性を含んでいます。ちなみに紫アスパラというのもありますが・・・・

また欧州ではアスパラというと主にホワイトを指すようです。ヨーロッパの春には日本の桜前線のようなホワイトアスパラガス前線があるほど 親しまれているようで産地もスペインからオランダ、ドイツへと北上していくそうです。ちなみに私の春はアラスカ前線です。 豆ご飯大好きです。夏は南瓜前線、秋は黒枝豆前線、冬は白菜前線。一応日本の四季を野菜にて堪能しています。

本当においしいアスパラの見分け方

おいしい野菜の見分け方・・・とか言ってなんでもかんでも見分けようとするのはどうかと思いますが。 野菜には特徴ある味を持たないものが多いです。食感を楽しむもの、目で楽しむもの、栄養、縁起もろもろの評価要素があり 市場では味よりその他要素が評価対象となる場面が多いです。 しかし・・このアスパラは消費者の立場となった時、“おいしさ”を一番の決め手としていい野菜の代表格だと思います。

だから“おいしい”見分け方、しかも農家直伝、言い換えれば私が農家に聞いた話なんですが・・・

  1. 春芽であること(4・5月は特に)

  2. 穂先はしまっていること

  3. 1.であれば太いもの

  4. はかま(茎上の三角形のりん片葉)が正三角形であること。
    これってけっこう参考になるサインです。

  5. 穂先の曲がりは小さな虫による傷だったりしますので食味に影響ありませんし、むしろお買い得

  6. ハウス物でなく緑の濃い露路物であること

などです。 どの野菜もそうですがアスパラの場合は元気のいい野菜ですので収穫後も呼吸量が多く鮮度落ち速度が急です。 だから発砲スチロールで冷やして出荷しています。要するに九州産よりも近くの岡山県産であること。 間違いなく岡山県産の春アスパラは旨い!宣伝ではありませんよ、お確かめ下さい。